切迫感、圧迫感も感じている。

何故か言い知れない寂しさを感じている。

と、同時に、切迫感、圧迫感も感じている。

先輩が辞める・・・それだけのことがやけに心をざわつかせる。

たが、思うに俺にとってその先輩はただの先輩ではなかった。

・職場で唯一気兼ねなく愚痴をこぼせる。

・機器の取り扱い方についても心底丁寧に教えてくれる。

・忙しい時でも感情を乱さずに対応してくれる。

・・・・そんな俺にとって職場のオアシスのような先輩だったのだ。

だから、こんなにも、俺にとってはショックで、

胸に応えているのだ。

その先輩に退職理由を訊いてみた。

理由は、「富山に骨を埋める気は無い」だった。

つまりは、地元で働きたいとのことだった。

俺は、その回答の淡白さに唖然となり、それだけですか?と尋ねた。

だけど、逆に先輩は俺に問いかけた。

「くもくじら君はずっと富山で働いていたいの?」

言われて“ハッ”と気付いた。

それは“嫌だ”。

俺だって、こんな四六時中天気が悪い富山なんかに居たくない。

出来れば神戸に帰りたい。

自分にとって一番肌に合う瀬戸内海気候である地域に住みたい。

・・・そんな感情が、先輩の質問によって発露した。

今日、出張で栃木県の佐野の研究所に来た。

派遣社員の若い女の人がいた。

(富山の事業所にはババアしかいないのに・・・。)

そして、佐野には様々な飲食店が密集していた。

(魚津には、飲食店なんか殆ど存在せず、

もはや行きつけの店のローテーションに俺は辟易してるのに・・・。)

あぁとうとう目が覚めた!

ようやく目を背けていた事実を再認識することができた。

魚津・・・そこは“死にゆく町”だということに。

一刻もこんな所脱出しないと、もしや俺はどんどん枯れていくのではないか?

そんな焦りが俺の中で蓄積していっている・・・。